DQXとシークレットプリンセス2020年07月31日 01:00

いつも前口上で記事のお題とドラクエXを無理やり(適当に)結び付けるスタイルでブログを書いておりますが、今回は逆に本題の話からドラクエXに結び付けてみたいと思います。
今回の題目である「シークレットプリンセス」をどういう場面でドラクエXに結びつけていくのか。皆様、刮目してみていただきたく存じ上げます。

日本の経済が最高潮に達したというバブルの絶頂期が1990年。
その辺を境に日本の景気は下向きに変わって今日に至るわけであるが、それとは別にゲーム業界の絶頂期は少し遅れて1997年あたりだった。
SONYの家庭用ゲーム機「プレイステーション」でファイナルファンタジー7とドラゴンクエスト7が発売されると発表された時、世間一般は歓喜の声に沸き、ニンテンドー64とかセガサターンを持っていたゲーム小僧どもが阿鼻叫喚となった年である(※1)。

【Tips:時代を彩った敗北ハードのソフトたち】
主人公の声優に鈴木真仁を迎え、タイトルがピーキーすぎてシャレにならねえと情報誌で話題になったりしてN64小僧の希望の星だった「ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ」
発売後は特にトラブルもなく普通に面白い感じで、ネタにも話題にもならずに消えた。
セガサターン初期にほとんどRPGが発表されない中で登場し、セガ小僧希望の星となった「アルバートオデッセイ外伝」
発売後はエンカウント率がやたら高くてプレイヤーに対して「You は Shock」。
しかも戦闘毎の読み込み時間の長さがやたら長く、「スロウすぎてあくびがでるぜ」ケンシロウのお気持ちごっこができると最悪な方面で話題となる。無事ワゴンの星になった。
【FIN】

更にそれとは別にパチスロ業界の絶頂期はまた更に遅れて2002年。これはその前後あたりの年じゃなくて明確に2002年。
なんといっても4号機の「サラリーマン金太郎」「アラジンA」「ミリオンゴッド」という後に射幸心をあおりすぎてお上の怒りを買って検定取り消しを食らった3機種がホールに登場した年である。
ユーザーの1万枚(等価20万円)2万枚(等価40万円)勝ちはどこのお店でも日常茶飯事、ツボにはまれば5万枚以上(等価100万円)を1日で叩き出す記録までそこかしこで報告される始末だ。当然それだけ出るという事はそれだけ負けている人が沢山いるわけであり、この頃のパチスロは社会問題となった。
まぁ私もこれらの直前でパチスロデビューしてるんだけど、この年のパチスロ店の雰囲気って明らかに異常だったんだよね。
ミリオンゴッドなんか競艇や競輪ファンの中でもベテランの香ばしい客層が『博打を打てる』と注目した話まで伝えられ、ただでさえ鉄火場だったシマにさらに油を注いで盛り上げたなんてまことしめやかに言われてたもん。
実際の現場をこの目で見た身としてはそんな話も納得できる程、身なりの良い人小汚い人、にーちゃんねーちゃん、ばーちゃんじーちゃん、おっちゃんおばちゃんと様々な客層がいて、みーんな等しく当たり前のようにハイペースで千円札をサンドにぶちこんでたんだよ。マジやべえよ。狂気や。
あと尼崎のパチ屋でヒョウ柄の毛皮を着こんでゴテゴテに装飾ちりばめたおばちゃんに、若い兄ちゃんズがとっかえひっかえへーこら頭を下げて現ナマ受け取ってはゴッドやサラ金にメダルをぶち込んでたのを目撃したのも2002年だ。マジイカれてる。狂気や。
というわけでこの2002年にパチスロ業界が潤いすぎちゃって、その後はこの過ちは二度と起こさせまいと規制規制規制のラッシュアンドラッシングビートの刻みでへと一直線(※2)。
また2004年からはパチスロ機種の出玉規制等のルールがガラっと変わった5号機時代へと突入。意図的な大当たりの連荘が難しくなる。
そこから時々規制の穴を突いた機種が登場して少し盛り返す期間があったものの、所詮2002年の熱狂時代にくらべれば出玉も熱気もじじいのしょんべん程度にちょろちょろっとしたものでしかなく、暗雲たる雰囲気を15年以上抱えながら2018年からはさらに規制が厳しくなった6号機時代へと突入し、業界自体が緩やかな死を待つだけのような状況で現在を迎えております。
でもね。5号機が始まった頃のこの業界ってまだ諦めてなかったと思うんだよね。
新規参入メーカーもちらほらあったし、その中からJPSやらKPEみたいに躍進したメーカーもあった(※3)。
もちろん今まで業界をけん引してきた古参のメーカーも負けじと数多の台を開発してきた。
ただ、出玉規制によってパチスロ産業が今までのお客を失った分、とれる牌は当然減少しているわけで、ジワジワとメーカーが撤退や廃業に追い込まれていくケースも増えていったのもまた事実。
タイヨー、テクノコーシン(ラスター)、アリストクラート、SNKプレイモア、エイペックス(トリビー)…
みぃーんないなくなっちゃった…(´Д⊂ヽ

とまあここまでの説明でパチスロ業界って長い事不況で目が死んでるんだねって事がわかっていただけたと思います。
いい加減そんな本題と関係ない話はおいといて(えっ)、そろそろシークレットプリンセスの話に移りましょう。皆さん、やっと本題に入りますよー!!

というわけで(どういうわけだ)苦境真っただ中のパチスロ業界における老舗メーカーのIGTジャパンが156日後に死ぬ機種、2009年9月7日発売の「シークレットプリンセス」にスポットライトを当ててみたい。

この機種はREDエンタテインメントという天外魔境サクラ大戦とかでお馴染みな広井王子(※4)が作った会社と提携して製作された。
156日後に死ぬ段階で発売された機種であるためIGTジャパンとしても追い込まれた状況の中、起死回生を目論んでツインエンジェルなどで業界で流行していた萌え系を老舗エンタメ会社と一緒に真面目に取り組んで作られたオリジナルコンテンツだった。
佐藤利奈・喜多村英梨・こやまきみこ(※5)といった旬な声優を迎えて各方面のアピールも万端。
この機種の為に製作された主題歌・挿入歌も総じてクオリティが高く、
サビの歌詞のショータイムが翔太と聴こえてしまう「Showtime!!」


普通にいい歌「Girlish Star」


恥ずかしくてスロどころじゃない「Secret(>ω<)Princess!!」


等々、ファンの間でもそこそこ聴けると語り草にもなった。
そういう当コンテンツ制作に丁寧な姿勢からも、同社の何故版権までとって製作しているのか誰も意味が解らなかったリンダの狙いうち」(※6)みたいに、決して手抜きで片手間にヤケクソで製作されたものではない機種である事が伺える。

もちろん可愛い子たちがキャッキャするタイプのコンテンツって事で液晶演出はとても力が入っている。
こちらをご覧くださいな!

・・・・。


 ↓   ↑

「  完  全  に  一  致  」
(※7)

しかーし!
全く売れなかった(笑)。
これ、ホールだとガチで見かけんかったし残当。
つーか、ときメモやToHeart2やスーパーリアル麻雀のパチスロもそうだけど、デートタイムみたいな名称のARTとかでメダル増やすってコンセプトに俺はすげぇ疑問を感じる訳でね。何が言いたいかっていうと公衆面前で不特定多数に見守られながら恋愛シミュレーションゲームをやれるのかって話(※8)なんですよ。
相当鉄の心が必要だし、そういう人はオタクでも希少だと思う。
最高設定の6でも躊躇するかな、俺なら。
まぁ躊躇しても打つけどさ、6なら(え)。

そんなわけで販売から156日後の2010年2月10日、IGTジャパンはパチスロ業界から撤退しますた。

ちなみにシークレットプリンセスを販売後にもIGTは1機種出していて、その最後の機種の名は「夢幻の如く」
本宮ひろ志先生の原作漫画を題材とした台で再起を図りましたがそんな夢も幻の如く、1か月後に業界を去りました。諸行無常っス。
あとタッグを組んでいたREDエンタテインメントもこの頃さしたるヒット作が無く、IGTが業界を去った1年後の2011年、中国企業に買収されたり紆余曲折を経て、大繁盛本舗ラーメン王など変な台を作っている事で有名なオーイズミ(※9)に買収されて現在に至っています。

【とどのつまり】 (↓クリックorタップでめくれます↓)
「Secret(>ω<)Princess!!」をいますぐあなたのipodやスマホに入れて毎日聴こう!
地味に歌詞に食い込んでくるキャラの合いの手の、言葉のチョイスというかノリが昭和のオッサンの趣味だよなって感じられて、そんなしょーもないもんを当時のトップ声優が熱演してるもんだから擦れた心へ ニチャアァ… ってきてこう、もう、やべーんすよ(何が)
 


~~オマケ・どうでもいい注釈~~
※1 ニンテンドー64とかセガサターンを持っていたゲーム小僧どもが阿鼻叫喚
FFとDQで完全にトドメさされたよね。N64小僧だったけど、パワプロだけはロクヨンユーザーでよかったと思った。

※2 ラッシュアンドラッシングビートの刻みで死へ一直線
何言ってるのか分かんないと思うんで説明しますと、スーパーファミコンのラッシングビートっていうファイナルファイトみたいなゲームで敵をやっつけたりやっつけられたりすると
「死」って直球で表示されるんですわ。

※3 JPSやKPE
JPSは「ウルトラ200X」という謎の機種しか出したことのない謎のメーカーだったのだが、5号機になってパチスロナースウィッチ小麦ちゃんマジカルてを出したらこれがスマッシュヒットし、名機2027の大ヒットにつながった。今でも細々と台を出している。
KPEはゲームメーカー「コナミ」のパチスロ部みたいなの。マジカルハロウィンシリーズがヒットしている。

※4 広井王子
近年不振。なんかドラクエ10のハウジングで活躍してなかったっけ?って思ってたら、それはあかほりさとる(ポーリーランド)だった。そんなサクラ大戦の二人。

※5 佐藤利奈・喜多村英梨・こやまきみこ
DQ的には
佐藤利奈:ユリマ(DQ8)
喜多村英梨:サンディ(DQ9)
こやまきみこ:いないっす
なんか悲しみ。

※6 リンダの狙いうち
高設定域でも全く吹かず、ユーザーの精神力が試される産廃パチスロ。
ごくごく一部で伝説化。

※7 
今回この動画のゾーマネタを紹介したいが為に一本ブログ記事を書きましたとさ(´▽`)

※8 公衆面前で不特定多数に見守られながら恋愛シミュレーションゲームをやれるのか
萌えスロ(近年そういう表現もしなくなった気がするが)を打つ時点で羞恥心もクソもねーじゃんといわれるかもしれない。
しかし、普通の萌えスロはあくまで演出は見るだけなのに対し、これらの機種のデートタイムうんぬんは画面に選択肢が出てきたりして出玉とは関係ない部分でユーザーが参加させられるのである。この違いは大きい(力説)

※9 オーイズミ
テクノコーシンと並ぶ筆者の心のメーカー。
意味不明演出過剰台の大繁盛本舗はかなり打ち込んだ上に家に実機がある。
美川憲一とか、小野真弓とか、ラーメンの鬼・佐野実とか不思議な版権で謎の台を作る割にはしぶとく潰れない。
メーカーマスコットキャラの1000ちゃんの声の人は色んな意味で一躍有名になった新田恵海さんという、もっているメーカー。
ひぐらしのなく頃にの版権をとってパチスロを出す時に、当時としては珍しく一般参加の試打会を秋葉原で開催したことがあったのだが、数時間待たされた挙句に一人あたりの持ち時間がなんと5分だったりと色んな意味で伝説となった。
その5分で果敢に中押し手順を探っていた私を、世間はもう少し敬ってもいいと思う。

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